『指輪物語』

著者 : J・R・R・トールキン

 「ファンタジーと言えば?」という問いに対して、令和となった現代では様々なタイトルを思い浮かべる方がおられるかと思います。日本においては個人投稿が可能な小説投稿サイトも台頭、各種ライトノベルレーベルも増えた事により、90年代には「スレイヤーズ」というハイファンタジーがアニメ/映画にもなり、00~10年代には「ゼロの使い魔」や「Re:ゼロから始める異世界生活」といった異世界転生ものがヒットするなど、裾野やジャンルそのものが多様化・細分化されたように思えます。

 ですが、現代になってもなお”王者は何か”となった際は、この作品を挙げる方も未だ多いのではないか。個人的願望も含みつつご紹介できればと思います。

 1954~1955年までにかけて全3巻、『旅の仲間』・『二つの塔』・『王の帰還』というタイトルと共に世に出た本作は、後のハイファンタジーに多大な影響を及ぼした作品となります。現在におけるエルフ(美しく長命で、人間より賢く遥かに強い)、オーク(エルフが堕落した存在であり、醜く力が強い野蛮な種族)、ドワーフ(男女共に髭が長く背が低い鍛造に長けた種族、また凄く頑固だが人情に篤い)といった各ファンタジー種族の設定までも構築しています。

 意外なことに舞台は”有史時代以前の地球”ですが、『作者が0から世界を造る』という創作の先駆けともなりました。

 現在となってもなお金字塔の本作ですが、巨大なデメリットもあります。

 それは”冒頭の詰め込みすぎ問題”であり、読み始めの1章丸々がホビットという種族と集落の歴史となっており、実質教科書を読んでいる錯覚を覚えてしまう点に尽きます。物語を読み始めた筈なのにお話が始まらない点で面食らうことは確実なため

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