あなたが作りたい幻想世界は
“1から構築した世界”ですか
“現代と地続き”ですか
若き日、ノートの切れ端に書きなぐった『設定』を覚えていますか?
そこに広がっている世界は 1から考えて組み立てたおとぎの国であったのか、それとも街角の路地裏からつながった摩訶不思議な場所であったのか。それらを大別するとどう呼称されるか見ていきましょう。
ハイ・ファンタジー
大まかな定義としては、著者により構築された架空の神話的世界で世界観が一貫(統一)しているなかで、英雄的主人公が活躍するジャンルの事です。
現実とは異なる定義や法則(例:魔法)が成り立っているため、それを物語上の導線やスパイスとして機能させていることが多いです。
ロー・ファンタジー
マジックリアリズムという分け方もみられますが、現実の中にファンタジーの法則を割り込ませ/配置させた作品を指す事が多いです。
日常の中に魔法がある。日常が魔法で浸食されていくなども含まれています。
ハイ・ファンタジー
1から世界を造るという事
幼き日、図書館で手に取った『剣と魔法のファンタジー』。そのロマンに胸を躍らせた日々を思い出してみましょう。あの作品のように、とある国のお姫様が隣国の王子様と、というストーリーを考える。そこに立ちふさがる困難として、悪の魔法使いや、生態として相容れない巨大生物達等。
現実ではありえない巨大森林とそこに家をくりぬいて作る亜人種。逆さに流れる川と天に浮かぶ大地、そこに住んでいる鳥や魚の如き人々。集落を造り、人の営みを造り、そこに発生する軋轢を造っていくロマン。それもハイ・ファンタジーの醍醐味と言っても良い筈です。
悪しき帝国、良き王の治める王国。豪放な人々が闊歩する遊牧国家。はたまた霊峰の中に隠れ潜む集落。現実ではすでに無くなった/成立しない国家や組織を作るのもロマンの一つでしょう。
ロー・ファンタジー
現実と地続きの幻想へ
『あの角を曲がった時、何か飛び出してきた』というように、現実の中に幻想が当たり前に存在している。又は幻想が突如現実を浸食してくるといった、1から作った世界でなく現実と密につながっている手法で作られるのがロー・ファンタジーです。
ハイ・ファンタジーのように1から世界を構築する必要が無いため、一見ハードルが低く見えがちです。が、現実の中に落とし込む上での描写づくりという意味では、最初から異世界である事以上に大変かもしれません。
ただ厳密に分類されている訳ではないので要注意
1970年代にはじめて用語として世に出てきたハイ・ファンタジーですが、現代においてもハイ/ローの明確な線引きがされている訳ではありません。例としてハリー・ポッターであれば、学外の舞台がほぼ現実世界であり、ホグワーツ周囲の魔法界がファンタジーであるように、混淆している場合があるため断定はしないようにしましょう。
ハイ/ローの塩梅を決めたら、方向を考えよう
作品の方向を決めるために、サブジャンルとプロットを作成すると効果的です。あらすじレベルでなくてもかまいません。明るいor暗い、シリアスorコミカルといった全体の雰囲気と、大まかな流れだけを決めておくだけで、作り始めるうえで大きな助けになります。
※『機動戦士ZZガンダム』のように、コミカルからシリアスに突如変わる等、途中で方向性が変わるのはお勧めしません。
1から作るのはどの程度であるかのバランスも大事
国家/民族/宗教と、その世界を形作るのはキャラクターだけでなく、そのバックボーンになる”舞台”も大きく寄与します。世界全体の規模や社会制度等、どの程度の規模にして制作するのかは最初に考えておきましょう。描写は後からでも構いません。
最初は一つの町が舞台だったのが、話が進んで地図が広がり、結果としてヨーロッパ(風も含め)全体になる事もあります。ただそれは最初に描写するべきではないでしょう。風呂敷をたためなくなります。
ハイ/ロー問わず、”時代”と”倫理観”は意識しましょう
古代/中世風の時代なのに”人権”と叫ぶなど、世界設定に齟齬が起きないよう
作品を作るにあたっては時代背景毎に倫理観は設定しておきましょう
現代では基本的人権を意識するのは当然ですが、古代や中世にはそんなモノ存在しません
かといって外道行為に走らせるのも反感を持たれてしまいます
何事もバランスが大切という事です
